社長ブログ

自立させないことが私の利益

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これは僕の”曲がった見方”であることを前提に読み進めてほしい。

いつもそう思ってみてしまう。

世にあるサービス、自社の利益、アメとムチを使う上司、育児。

依存させてなんぼ、自立させないことが利益になる仕組みなっている。

介護報酬改定が発表された

介護保険、障害福祉の制度改正は3年に1度、大幅に改変される。

そのタイミングが2024年4月にある。

まだすべては見れてないけど、特別大きな変化もなく報酬は微増の見込みだ。

最近の変化は自立を支援すると、プラスで報酬がもらえるシステムになっているが…

介護報酬の仕組み

基本的には障害支援区分が高い人にサービス提供をすると、介護報酬が多く、区分が低い人だと介護報酬は低い。

支援区分が高いと人手がたくさん必要になるから報酬を多くして、スタッフを多く雇用する必要がある。

ここまでは誰もが納得できる仕組み。

しかし、介護の基本理念は『自立支援』。

そして自立度が高まると、”一過性”の加算はもらえるものの、長期的には報酬量全体は下がる。

前章に書いた通り、『自立を支援』して結果が出れば評価され加算されるのだが、その対価が少なすぎる。

仮に支援区分が下がった場合、売上は大きく下がる。

ちなみに障害支援区分について詳しく解説した動画はこちら。

株式会社障がい者ライフサポート【広島市】公式チャンネル
宇宙一わかりやすい障害支援区分

インセンティブどころか

本気で自立支援に取り組み、支援区分が下がった暁には売上が下がり、人手もいらなくなる。

支援区分が下がり人手がいらなくなったとしても、一度雇用した人材を解雇することはできない。

日本の法律では労働者の権利の方が圧倒的に優先される。

それが日本が成長できない根本的な原因だと指摘する人もいるが、言ったところでコントロール不能である。

売上は戻ることもなくコストだけが残る。

この仕組みで誰が本気で取り組めるだろうか?

アメとムチを使う上司

自立とは、「必要以上に他者に依存しない状態」という一面がある。

アメで頑張るもムチで頑張るも結局は同じ、他者からの叱咤激励が原動力。

それは自立ではなく依存である。

上司もまた「やっぱおれがいなきゃお前は…」的な、自尊心が満たされる行為で気持ち良くなっているだけ。

上司が部下の自立を願うなら、どうしてほしいか?を伝えた上で、期待に応えてくれた時は感謝を伝えるに限る。

子どもを怒るも褒めるも

アメムチ上司と同じ原理が子どもにも働いてしまう。

「6才のボクが、大人になるまで」という映画がある。

内容はタイトル通り、主人公の男の子の6才~18才までの12年間を断続的に取材し描写したもの。

その映画の最後の方で、自立して旅立っていく子に対して母親が「こんなに子育て早く終わるなんて…」と自分のこれからの寂しくなる人生を嘆き悲しむシーンがある。(たしかそんな感じ…)

このシーンはわかりやすいんだけど、同じようなことがほとんどの家庭で起きていると思う。

自分を満たしてくれるために、自立されては困るのだ。

そのためには「あなたのために!」と怒って、私の必要性を認識してもらわければいけない。

そのためには「よくできたね!」と褒めて、褒められる行為を繰り返してもらわなければいけない。

怒られるも褒められるも他者がいないと成立しない、依存した状態である。

必要以上に依存させないためにはどうするか?

怒るも叱るも褒めるも、基本は上から下、上下の関係から成立する。

上下の関係ではなく友人と接するように、余計な口出しはせず、本人の意思決定を尊重すればいい。

「よくできたね」ではなく、「それ好きなんだね」とか「ありがとう」と伝えるだけでいい。

部下や子どもが何か困っていて、仮にあなたがそれに精通しているのならば経験や知識を授ければいい。

そうじゃなかったら話を聞いて「いつでもあなたの助けになる」というメッセージを届ければいい。

本人が自分の意志で何かに取り組む勇気を持つことが、自立の一つの側面だと思う。

ちなみに上とか下とか言ってるけど、僕は意識的にそういう感覚を捨てた。

上下という感覚はあるのはあったけど、元々少ない方だったと思う。

上下ではなく、すべての人は同じ水平線の上を歩く”ただのヒト”なのだと捉え直した。

終わりに

特に子育てなどはそれぞれの育児観とか教育観があるだろうけど…

介護士などの人材教育場面で「自立支援が軸」というならば、制度の仕組みもそうであってほしいと願うばかりだ。

今は事業所のサービスの質を向上することと、高い報酬を得ることが別のゲームになっている。

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