前編では、フローとストックの考え方を掴んでもらえたと思う。
後編では、その考え方を使って自社の説明をする。
前編はこちら
介護業務のフローとストック
生活介護スタッフならば、利用者さんを迎えに行って施設で介護・支援を提供し、「今日も楽しかった~」って気分になっていただき自宅に送る。
訪問介護スタッフならば、ご自宅に訪問して居宅介護や外出支援のサービス提供をする。
そしてご本人やご家族と日々のコミュニケーションを丁寧に行う。
これらがフロー業務と言える。
一方、ストック業務は介護サービス業務の指導をして、時にはマニュアルを作るのが管理(経営)側のストック業務である。
日々のコミュニケーションで積み重なった信用も、事業所・会社にとってストックとなり、永続的な集客と採用に繋がる。
現場スタッフはフローが中心
現場スタッフの会社への貢献とは、現場に入り介護サービスを提供して「イマ」売上を作ることである。
新人であればあるほどその傾向は強くなる。
反対に言うと、それ以外出来ることはほとんどない。
会社の理念とか介護業界がどういう仕組みで成り立ってて、どういう方向に進もうとしているか?
現場スタッフに指導することは出来るけど、残念ながらそんな時間はない。
ここら辺が立ち上げたばかりの事業所だと、社長などの経営側と現場スタッフの境目が薄く、絆が強固になりやすいと言える。
雇用をして給料を支払う以上、現場に出て「イマ」の売上に貢献するのが現場スタッフだ。
管理責任者はストック寄りで
管理責任者の会社への貢献は、現場スタッフを指導しサービス品質を基準以上に保つことである。
現場スタッフが日々のコミュニケーションを大事にするよう指導し、信用を積み重ねなければならない。
管理責任者は、事業所の顔でもある。
管理責任者は外部機関とコミュニケーションを取り、同じく信用を積み重ねなければならない。
あ、指導の前に一番大事な採用があった!
サービス品質を保てるスタッフの採用が一番重要である。
保てないと判断すれば、試用期間内であれば契約解除しなければいけない。
サービス品質が保てない人のために、船が沈没させる訳にはいかないのだ。
雇用はサービスではなく、一生懸命やればいいってわけではないことを心得ないといけない。
ここが一番大事かもね。
経営者はストック中心
僕の仕事はヒト・モノ・カネ・システムを集めることだ。
それらを使ってサービス品質を高め、「お客様の本当の悩みの解決」が出来ているかが問われる。
本に書いてあるありがちな表現だけど、本当に短いことばですべてを表している。
介護はヒトあることは疑いの余地がない。
ヒト(スタッフ・ご利用者)を集めるというとYouTubeをやり始めて本当に流れが変わった。
ブログやYouTubeは(現状では)ストックそのものである。
一度作った動画は長期に渡って見てくれる。
時間と場所も関係なく…24時間365日、誰かの旅行中でも宣伝してくれる。
同じSNSでもFacebookやInstagramはフロー要素が強い。特にFacebookは。
遡って情報を見てくれることは滅多になく、ユーザーは「中長期に渡って価値ある情報」ではなく「友達のイマ」を見ている。
だから経営者はストック業務に注力するべきなのだ。
今は管理責任者の能力で売上が左右されにくいシステムとして、ショートステイの予約システムに注力している。
加えて管理責任者の業務削減も期待できる。
効果があるのかどうか、判断できるところまで楽しんでやりきりたい。
仕事をしている以上、誰だって成果を出して会社に貢献しなければいけない。
例外なく僕もその一員であり、誰よりも最高のパフォーマンスを出し続けなければならない。
賞与の評価
賞与の評価でも、経営者が重視しているのがフローかストックかで決まる。
例えばフロー重視だと、会社が「イマ」やってほしいことにどれだけ貢献したか?
今期の成果(イマ)が重要視される。
営業マンだとわかりやすく顧客獲得数、売上などが評価基準だろう。
一方、ストック重視だと、評価期間の成果ではなく、何年勤めているか?どれだけ安定して事業運営させたか?(問題が起きなかったか)
ここら辺が評価基準となるだろう。
僕はフロー型の人間で、経営スタイルもフロー型に振っていっている。
ちなみに前期の評価は、
- ・訪問介護サービスと夜勤業務を兼務したスタッフ
- ・新しいことに挑戦したスタッフ
- ・僕の理想とする事業運営を即実行してくれたスタッフ
- ・新規利用者を獲得した事業所
こんな評価基準で行った。
ひとことで言うならば、会社の意向に沿っているスタッフ、成果を出した事業所だ。
働いた年数なんて関係ない。
この傾向は変わらない。
もちろん長年勤めた人に感謝はあるけど、「イマ」成果を出している、出そうとしていることが僕にとっては重要なのだ。
みんなストック型になっていく
ここまで見てもらえるとわかるように、フローの先にストックがある。
最初はみんなフロー業務しか出来なかったのに、知識経験が積み重なりストック化する。
僕だってその経緯を辿っているし、会社自体もそういう傾向になる。
※会社の知識経験、信用が積み重なりストック化するという意味
言いたいことは、会社が身重になってやりたいことが出来なくなったり、自身がストック型になっても気が付かなくなる。
だから前々から僕は、これ以上会社を大きくすることに慎重だったのかもしれない。
終わり方
会社を大きくしたくない一方、僕のやりたいことの一つに介護スタッフの給与アップがある。
介護事業のみで給与アップをするためには、規模拡大が不可欠だ。
介護事業は、事業数=収益という構造があるからだ。
これが僕の気持ちと矛盾してしまう。
規模拡大ということは、ひたすら管理業務(ストック)が増えていく。
そんな理由から、事業拡大はすでにゴール地点に近いのではないかと感じている。
あとは最高のサービスに向かって努力し、満足するところまでいって、誰がやってもうまくいく会社、つまりストック化させたら終わりなのかなと思っている。
ちなみに満足するところとは、10が満点だとすると8か9くらいのところまで。
あとの1点2点を追求するのは誰かに任すよ。
終わりに
今のところはこんな風に考えている。
「具体と抽象」「フローとストック」
2冊の本から学べたことは多かった。
また気が変わったらブログにするよ。
僕はフロー、流れの人間だから。