仕事で成果を出すには説明力が必須だ。
時系列で話し、一文が長く専門用語を使い、内容をAIに丸投げする。
これらは全部ダメな例である。
わかりやすい文章とは、結論から話し、短く中学生でもわかる言葉で、正論ではなく自分の言葉で話す。
もっと言えば、正論を超えて自分の偏った主張であれば尚良い。
特に管理職など、役職が上がると説明力の差が成果の差になる。
しかし今できなくても恥ずかしがる必要はない。
これは日本の教育に組み込まれておらず、教師やライターですらできないようだ。
実際、新聞やネット記事を見てもわかりにくく読みにくい文章が多い。
今回は僕が実践している説明するコツを共有する。
基本はこの2つの本を参考にしている。
書く技術・伝える技術 (スーパーラーニング)(倉島保美 著)
“短いは正義――「60字1メッセージ」で結果が出る文章術”(田口 まこ 著)

論理的な説明が土台
基本は論理的な説明、これが土台だ。
論理的な説明には型がある、難しくない。
結論(主張)→理由→根拠→もう一度結論(主張)でまとめる。
これだけでいい。
ちなみに、今回は「理由と根拠の差」は深く考えなくていい。
結論から話すことは聞き手にとっても優しい。
結論から話すことによって、聞き手は「この人は今からこれ(結論)に向けて話すんだな」と認識する。
これを「メンタルモデルを作る」というらしい。
よくやってしまいがち失敗例が、時系列で話してしまうことだ。
これは「話し手にとって」話しやすい方法である。
なぜならそれ(時系列)は、話し手は記憶の順に沿って話すだけだから。
しかし相手が一番聞きたいのは結論である。
時系列で話すのは仕事上ではやってはいけない。
特に時間を必要としている管理職の人はまず結論を聞きたい、早く聞いて早く意思決定をしたいからだ。
論理的な説明には型がある。
「書く技術、伝える技術」という本に書いてあることを愚直にやれば、論理的な主張になるのでオススメだ。
結論から話す人と時系列で話す人
例えば朝出勤して、同僚が膝から血を流していたとしよう。
そしてすかさず「どうしたの?」と聞く。
ここで結論から話す人と時系列で話す人が分岐する。
結論から話す人は、
「今日の朝急いでて家から出る時にこけちゃったんだよ」(結論)
「朝子どもがなかなか準備してくれなくて、慌てちゃって靴紐も締め忘れてた」(理由)
「昨日の晩、子どもと一緒に遅くまで YouTube見ちゃったからそのせいかも」(理由)
となる。
一方、時系列で話す人は
「ちょっと聞いてくださいよ!昨日の晩、子どもと一緒に遅くまで YouTube見ちゃったんですよ。」(理由)
「それで今日の朝、子供がなかなか起きなくて準備してくれなくて」(理由)
「しかも出かける時、靴紐締めるの忘れちゃったんです」(まだ理由を話してる)
「それでこけちゃったんですよ。もう最悪」(結論)
これは結論から話す人と時系列で話す人の違いである。
それぐらい聞いてあげればいいじゃない?と思うかもしれない。
ただ、この小さく見える積み重ねが業務上での実力であり、このせいであなたの言ってることは意味がわからなくなる。
一文60字以内
ビジネス文は「短いは正義」である。
文章を短くするコツはいくつかある、ここでは1つだけ紹介しよう。
基本一文一意。
「AはBでありながら、Cという考えもありますがDとは違います」
このような文章を作る人は意外と多い。
こういう時はこれでいい。
「AはBです。」
「Cという考えもあります。」
「Dとは違います。」
僕も最初は「稚拙に見えるのではないか?」と思った。
しかし一文を短くしてからスタッフの誤読が明らかに減った気がする。
「ブログ楽しいですね」「学びになります」とも何度か言われた。
伝わっているのかもしれないと感じた。
「短いは正義」については過去にもブログにもしてるのでよかったら参考にしてほしい。
過去の社長ブログ
60点でも説明してみる
先輩は新人に指導(説明)する。
そこで上手く説明できないことに気付かされる。
なぜならそれは本質がわかっていないからだ。
人間は失敗からよく学ぶ。
だから60点でもいいから実践(説明)し、失敗から学ぶことをオススメする。
そしたら次の指導では70点、80点に上げれるように修正をかける。
そこではすべり散らかすこともあるだろう、いやむしろその方がいい。
実際にすべり散らかした失敗体験をもとに相手からフィードバックをもらい、修正をかけて70点、80点に上げていく、これが一番いい。
失敗を恐れて何もやらないのが最も問題だ。
机上の空論を言わず、60点まで考えたらもうやる。
AIを使いすぎない
経験と偏りこそがあなたの価値である。
一番重要なことは本人の主張、「つまりあなたの言いたいことは何?」ということだ。
主張は出来る限り自身の経験と偏りが重要になる。
逆に言うと人から聞いた話を平均的で模範的な回答をするなら、AIでいいのだ。
AIはWEBに落ちている最も平均的な回答しかしない、ということは平均点しか出さない、正論しか言わない、すなわち楽しくはない。
正論はもうみんな聞き飽きていて、いちいち聞かない。
だからどれだけ偏っててもあなたの主張が重要だ。
でも気をつけなきゃいけないのは尖った主張をするために尖った意見をすること、要は「逆張りのための逆張り」はやってはいけない。
偏りがあなたの価値になる
例えば僕の偏った考えでいうと
「利用者さんをあだ名で呼んでもいいし敬語も使わなくていい」
「ただ1つ、家族の前で言えないことは言ってはいけない」
こんなことを公に言う人は少ないし、AIも言ってくれない。
でもこれが僕の主張だ。
現場スタッフへの指導でも同じ。
「食事介助中はよっぽどのことがない限り離れるな」と言う。
よっぽどのこととは?と聞かれても、そこは感覚で理解してもらうしかない。
具体例を出しても際限がない。
だから抽象的な言葉で共有し、あとは実践で覚えてもらう。
終わりに
説明力は訓練で身につく。
結論から話す、60点で実践する、経験を積み、感じた違和感は見逃さず、偏ってても言語化する。
これを繰り返すだけだ。
よく理解しないままAIに任せてしまっては、あなたの価値を殺してしまうだけだ。
これを繰り返すと信頼を失い、仮にブログならもう誰も読んでくれなくなるし、YouTubeなら見てくれなくなる。
だから基本を守り、自分の経験で、偏っていてもいいから主張する。
そうすればあなたの言っている意味が人に伝わる。