社長ブログ

集団支援の中からどれだけ個別支援が拾えるか(前編)

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まだ会社員の頃、先輩に教えてもらった言葉である。

これは色んな意味で的を得ている。

全体(集団)の安心・安全と支援が行き届いている上で、個人に個別に計画された支援を提供する。

全体をないがしろにして個別支援は成立しない。

すなわちある程度、組織が成熟されている必要があるのだ。

この言葉は一つの指標として、僕は自社の事業所を見ている。

最近は社内の課題に目を向けがちだったので、今回は良い所に焦点を当ててみようと思う。

新幹線が好きなHくん

この方はJRや新幹線がとても好きで、時々グループホームの日中支援で見に行き楽しんでおられる。

新幹線と写真が撮れた!
ヌマジ交通ミュージアム(広島市交通科学館)

前はヘルパーさんと行っていたんだけど、コロナで中止になり、そのまま外出支援がなくなってしまった。

とても繊細で、予定と違うことが起きたり自分に”火の粉”が飛んでくる(と感じる)と、時々大きな声を出すことがある。

しかし根は優しく人を気遣うこともできる素敵な人である。

関係性が作れると心を開き、色々な支援を受け入れてくれる。

この方がグループホームに入居できたことは本当に嬉しかった。

グループホームスタッフを筆頭に、この方に関わるすべての支援者の努力の賜物である。

頑固おやじのTさん

この方は無口でとっつきにくさのある、いわゆる”頑固おやじ”のような人である。

めんどくさがりで動かない。着替えてもくれない。

何事にもしっかりとした”動機”がないと動いてくれない。

このままだとあらゆる機能の低下に繋がるので、朝10:00に2階から1階へ荷物を運ぶ”役割”を頼んでみた。

もちろん「行かない」と即答だが、スタッフとお姉様の渾身のプレゼンにより”役割”が始まった。

最初は渋々だったかもしれないが、みんなから称賛と「ありがとう」の声により習慣に変わっていった。

今では時間キッチリに役割を担ってくれている。

やらせているように見えるかもしれない。

しかしこれは身体機能や認知機能の維持になる。

周りからの要求に応えることで「私はここで必要とされている」という認識にも繋がる。

介護の業務には”誰にでも出来る仕事”と”プロフェッショナルな仕事”がある。

これは間違いなくプロフェッショナルな仕事。

そんなチームの願いと実行力が詰まっているのである。

後編に続く

後編でも2人のご利用者の上手くいっている支援について紹介する。

ご利用者の成功体験=スタッフの成功体験でもある。

ご利用者が成功体験を積むことと同じくらい、スタッフが成功体験を積むことが大事でありモチベーションの維持になる。

むしろそのためにやっていると言っても過言ではない。

数ある仕事の中からわざわざ介護を選んだのだから、これを体験しないともったいない。

まとめて書くと長くなりそうなので2回に分けて投稿する。

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