社長ブログ

どこにいても君は

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7月12日、うちのグループホームに入居している方が亡くなった。

がんだった。

彼とは約15年前から面識があり、僕が事業を始めてすぐに利用してくれていた。

彼は知的障害の人が不穏になった時、どう対応すればいいか教えてくれた。

彼は人から愛される能力がとても高く、憧れるくらいの人間性を持っていた。

彼は人懐っこい性格で、いつも新人スタッフの先生役を買って出てくれた。

彼はずっと母と2人で生きてきて、数年前に母を亡くし、身寄りのない状態だった。

彼がグループホームに入る時、母から「生涯お願いします」と言われた。

僕もそのつもりだった。

彼は僕がグループホーム事業を始めて、初めて余命宣告を受けた人だった。

その事実を知ってから、知的障害者の緩和ケアについて詳しそうな施設や医療機関に、広島だけじゃなく日本の色んなところに研修依頼をした。

でも研修先が見つかるよりもがんの進行は早く、あっという間に最終段階を迎えた。

最終段階に入ってからはたくさんの人が彼に会いに来てくれた。

最後に唯一、広島市でホームホスピス事業を行っているところと繋がれたのは救いだった。

その事業者からの教えにもすがりながら、グループホームスタッフは高い緊張感の中、初めての看取りをやりきってくれた。

7月12日の朝、彼はグループホームの居室で穏やかに最期を迎えた。

グループホームスタッフは彼の母の願いを果たしてくれた。

彼はたくさんの支援を必要としていたと同時に、たくさんのことを周りに与えていた。

今は遠く離れた場所で暮らしている僕にもたくさんのことを教えてくれた。

グループホーム事業をやって本当に良かったと思っている。

彼から教えてもらったことを、いつかまた誰かが迎える最期に活かそう。

またしても彼は身をもって教えてくれる先生役を買って出てくれた。

本当にありがとうございました。

天国でお母さんと仲良く過ごしてください。

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