株式会社障がい者ライフサポートは2025年10月より新体制に移行する。
創業13年を経て、事業拡大期から品質向上期に向け、3つの部長職新設と社長交代を実施する。
この変更はサービス向上を目的とした戦略的判断、ご利用者・スタッフ双方により良い価値を提供するための前向きな改革である。
僕は引き続き経営には関与しつつ、新たな角度から業界に貢献する。
夢はまだ道半ばである。
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成長段階に応じた組織進化
会社設立から13年が経過した。
23歳でこの業界に足を踏み入れ、29歳で起業し、今42歳を迎えた。
この間、僕は寝ても覚めても仕事のことを考え続けてきた。
それは苦痛ではなく楽しかった。
嫌なこともたくさんあった…
しかし自分の成長、さらに利用者さんやご家族からいただく「ありがとう」、一緒に働く仲間との出会い。
すべてが人生を豊かにしてくれた。
起業当初の目標は明確だった。
- ・画一的に見えた生活介護サービスを変えたい
- ・介護度の高い方でも入居できるグループホームを作って手厚い支援体制を実現したい
- ・介護スタッフの仕事が報われるような給与を払いたい
これらの目標を達成するため、事業展開を積極的に進めてきた。
ただ、今は会社の成長段階が明らかに変わった。
拡大期から品質向上期への移行である。
この段階で求められるのは、これまでとは異なる「組織マネジメント」だ。
組織マネジメントの重要性が増し、人材育成や管理者同士の連携の仕組み構築が不可欠となった。
現在の階層の少ない体制では、サービス向上や管理体制に限界を感じている。
新体制の要点2つ
今回の大きな変更は2つ。
1つ目、3つの部長職を新設する。
グループホームとショートステイ事業のサービス管理部長、生活介護事業のサービス管理部長、そして総務部長である。
これまで管理者が一括して行ってきた業務を分担し、より専門的で俯瞰する立場からサービス向上を実現する。
サービス管理部長の役割は、その名の通りサービス品質の管理である。
アセスメントの適切性、支援計画書の具体性、手順書の整備とその遵守状況、現場スタッフの理解度まで、サービスの質に直結する全ての要素を俯瞰的に管理する。
これは事業所内の視点だけでなく、スーパーバイザーとして専門的な目線を入れることにもなる。
総務部長は、サービスに直接関わらないが重要な業務を担当する。
行政対応、採用面接、そして組織文化の醸成である。
特に組織文化の醸成は重要だ。
来客対応、電話応対、接遇指導など、対外的な印象を左右する要素を一括管理して会社全体の品質向上を図る。
2つ目、社長交代である。
豊口さんに社長職を委ねる。
正直今は普通にやってればお金は回るし、新規事業展開みたいな攻めの意思決定も必要ない。
それより今は「現場で、共感を大事に」進めていくことが重要だと感じた。
僕は今マレーシアにいるので現場にはいられない。
組織マネジメントの理論ややり方はわかってきたけど、共感性はかなり低い。
だからこれは投げ出しでも逃避でもない。
会社の成長段階に合わせた戦略的判断なのだ。

適材適所でサービス向上
新体制のメンバーはそれぞれ異なる強みを持つ。
新社長の豊口さんはエミアブルタイプ、すなわち共感性の高い人間である。
現在の会社に必要なのは「みんなで一緒にやっていこう」という姿勢であり、彼の人間性はそれに合致する。
経営、管理職として優れているとは言わない。
ただ、欲はあるので期待している。
冗談抜きで欲とは力なり、なのだ。
高山さんは10年の勤務実績があり、仕事に対する熱意と課題解決能力に長けている。
水田さんは8年間のサービス管理責任者としての経験と、利用者さんやご家族から高い評価を得ている人間性を持つ。
大和さんは事務職としての適性に加え、相手の意向を汲み取る優れた共感力を有している。
それぞれの特性を活かして組織全体のパフォーマンス向上が期待できる。
管理者は現場に集中して、部長職からのフィードバックにより、現場スタッフのキャリア形成もより明確になる。
結果として、利用者さんへのサービス向上が実現される。
僕の次の役割
僕は介護報酬以外の売上獲得をする。
簡単に言うと経営はお金があれば有利に進められる。
話を単純化させすぎてるけど、1つの事実である。
これから介護報酬が増えていくとは思えない。
政治家が票取りで一時的に処遇改善をばら撒いたとしても、長い目でみると減っていくだろう。
処遇改善をばら撒くのも見慣れた光景になってしまった。
まだどの国も体験したことがないレベルで超高齢化と人口減少が訪れる。
その”割り”は小さい企業や経営力の弱いところから食らう。
当社も決して大きな企業ではない。
その中でも経営を有利に進めるには介護報酬以外の収入が必要だと考えた。
だからその基盤をこれから作っていく必要がある。
介護報酬の将来的な減少を見据え、別事業からの収益確保により、継続的なスタッフ処遇改善を実現したい。
新しく行う事業も「障害者がありがとうと言われる社会を作る」、という理念と整合性のあるものができればいいなぁと考えている。
僕は23歳からこの業界に育てられた。
その恩返しを、形を変えて続けていく。
日本とは物理的な距離はあるけど、2カ月に1回程度の帰国とオンラインでの継続的な関与により、経営サポートも維持する。
終わりに
今回の組織改革で会社は新たなステージに進む。
事業拡大の第一段階、そしてこれからはサービス品質向上という第二段階だ。
この変化に最適な体制を、今ある選択肢で良しと思われる方法を選んだつもりだ。
すでに色んなことを任していて、自分でやるよりスピード感が増した。
今までちゃんと任せれてなかったんだと痛感する。
僕は直接的な関与は減る。
ただ、より大きな視点から業界全体への貢献を目指す。
やっぱり最後に言うことは一緒だ。
みんなで一緒に頑張ろう!!
