あなたは自転車に初めて乗れた日を覚えているだろうか。
僕は少しだけ覚えている。
父か母かどっちだったか…
家の近くの公園で補助輪をつけて走り、補助輪を外してはこけ、泣き、また走ってはこけ、泣き、それを繰り返して乗れるようになった。
何かを習得するためには”こける”必要があり、何度もこけて、泣いて、それでも挑戦を繰り返したはずだ。
ただ、僕たちはいつからか、こけずに物事を成し遂げようとするようになった。
それは信じられないほどの非効率で不完全なのに。
この記事では、自分の大ごけした経験と、それでもまた立ち上がる(トライアンドエラーの)重要性について、僕自身の考えを書く。
何かの挑戦をためらうあなたの背中を、少しでも押すことができれば幸いである。

目次
自分の大ごけ談
僕の大ごけ談を紹介しよう。
10年くらい前か、ファニーのイベントでたくさんの利用者さんとそのご家族が集まっていた。
その日僕は別の予定が入っていて参加できないはずだった。
ただ、予定が早く終わりファニーに戻った。
すると「その場で何か話してくれ」という流れになった。
なんにも考えてなかったのと、他の仕事で頭がいっぱいだったので、頭が真っ白になりぶっ飛んだ。
声は震え話せなくなり、ダンマリ状態になってしまった。
「社長は大丈夫か?」という感じでざわついた後、その時間は終わった。
集まってくれたご家族、準備をしてくれたスタッフにとても迷惑をかけてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
派手にこけた。
これ以外にも数えきれない失敗がある。
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「自信がない」の正体
挑戦を前にして「自信がない」と感じるのは、あなたに能力がないからではない。
「やったことがない」だけである。
「やったことがない」「なんだか怖い」「難しいと思う」「それは私には向いてないと思う」「自信が湧いたらやります」、そう思うのは当然の反応だ。
何かの本で、「狩猟採集時代において、昨日までと違うことは死を意味する」という一文を見た。
確かに狩猟採集時代において、しばらく食うに困らず、雨風が凌げる”安住の地”を見つけたのに移動するなんて馬鹿げてる。
移動すると草むらから獣に襲われるかもしれない。
雨風が凌げない場所で仲間が風邪を引いたらどうしようか?
そんなリスクを背負うなら昨日までと同じ今日が来る方が楽なのだ。
それとおんなじだ。
しかし「人間の脳はまだサバンナにいる」と言われている。
そう考えると「昨日までと同じ今日を過ごしたい」と思うのは普通だ。
あなたに能力がないからではない。
ただ、そのまま放っておいても自然に自信は湧いてこない。
ではどのように「自信を湧かせる」のか?
どのように「やってみる」のか?
問題をとにかく細分化する
乗り越えるべき課題が「人前でまとまった時間話すのが怖い」だとしよう。
人前とは何人だろうか?
たぶん1人じゃないだろう。
2人かな?3人かな?5人かな?
まとまった時間とは何分だろうか?
1分?5分?30分かな?
さらに話すテーマがなんであろうと怖いのだろうか?
例えばあなたが今、沼のようにハマってるマンガの話だとどうだろうか?
このようにとにかく細分化してみることをオススメする。
失敗は「派手にこけない」ための練習
問題を細分化すると、3人いたら緊張する、知見が足りないと5分が長く感じる、などと自己分析ができる。
そうすると、同僚3人で、ドハマリしてるマンガを、5分話してみる、というアクションプラン(練習)が立てられる。
そこでこけても大して痛くはないだろう?
そこで何度も修正をかけてみればいい。
そう、トライアンドエラーだ。
昔は自転車に乗りたくて走ってはこけ、泣き、また走ってはこけ、泣き、また走ってはこけ、泣き…
あんなにたくさん失敗してきたのに…
いつからか挑戦も失敗もしなくなった。
それはあなたに能力や才能がないからではない。
問題がザックリしすぎているのだ。
幼稚園児に学ぶ「マシュマロ・チャレンジ」
「マシュマロ・チャレンジ」というゲームを知っているだろうか。

これはマシュマロ、テープ、ハサミ、パスタの乾麺、紐を使って、制限時間内にどれだけ高い建造物を作り、最後にマシュマロを上に置いて高さを競うゲームである。
このゲームの面白いところは、一般的な大人が平均点以上の高さのものを作れない点だ。
弁護士ですら作れない。
弁護士より幼稚園児の方が高いものを作り、一般的な社長よりも幼稚園児の方が高いものを作る。
マネジメント知識のあるレベルの社長と幼稚園児が同等の成果を出すのは非常に面白い点である。
もちろん、一番高く作れるのは建築系の建築家やエンジニアといった専門家だ。
どうすれば安全で高い建物を作れるか知っているから。
ただ、今回注目してほしいのは、幼稚園児が一般の大人よりはるかに高い点数を出すというところである。
なぜ幼稚園児がいい結果を出せるのか。
ちなみに先日、うちの会社の役員ミーティングでもやってみた。(写真を撮るの忘れた!!)
結果は幼稚園児以下、45センチだった。
トライアンドエラー
マシュマロチャレンジで良い成果を出すためには、やはりトライアンドエラーの数が一番大きいと考えられている。
例えば一般的なサラリーマンだと、初めて会ったグループで何かを作り上げようとする際、一緒にいる人との関係性や立場、気遣い、雰囲気、空気といったものを読みすぎて、肝心なパスタの組み立てに取り掛かろうとしない。
一方、幼稚園児はすぐにパスタを取り出し、マシュマロを使い、組み立てては倒し、組み立てては倒しを繰り返す。
周りの園児が何をやってるかなど気にも留めず、周りの園児がうまくいったらそれを模倣し、倒しては組み立てる、倒しては組み立てる。
結果的に制限時間内で高い成果を生み出す。
彼らから学べることはなんだろうか?
結果が出るまで繰り返せば失敗などない
幼稚園児は自転車でこけてもこけても「もう一回!」と繰り返す。
幼稚園児はパスタの建造物が倒れても倒れても「もう一回!」と次に向かう。
そもそも子供とは、何か新しいことを習得し続ける、そういう年頃なのだから言ってみれば習得のプロなのかもしれない。
彼らは、新しいことを学ぶのが仕事だ。
その方法は極めてシンプルで、とにかくやってみる、そして失敗から学ぶ。
うまくいっている他者のやり方を真似る柔軟性も持つ。
自転車の乗り方を覚える話といい、マシュマロ・チャレンジといい、僕たちは幼稚園児から学ぶべきことがたくさんあるのではないだろうか?
終わりに
もしあなたが新しい挑戦をしなければならないと決まっている、もしくはやりたいけど勇気が出ずにいるのなら、思い出してほしい。
何度もこけながら自転車に乗れるようになった自身の体験を。
失敗を恐れず、弁護士よりも高い成果を出す幼稚園児の話を思い出してほしい。
それは幼い頃のあなたの姿だ。
怖いのは能力がないからではない。
まだ、やっていないからだ。
会社に行けば補助輪となる仲間がいる。
僕や新役員たちもあなたの挑戦を支える。
そうそう、僕や新役員たちはこれから盛大にこける予定だ。
なぜなら自信はないけど挑戦するからだ。
