基礎編はこちら
適切な介助編はこちら
アイテム
前編に書いた歯ブラシ、歯磨剤、デンタルフロス、フッ素に加えて、特別な介助が必要な方のアイテム一覧はこちら。
- ・コップ2つ
- ・保湿ジェル
- ・口腔ウェットティッシュ
- ・粘膜ブラシ、モアブラシ(どちらかでいいと思う)
- ・舌ブラシ
- ・吸引ブラシ
- ・ガーグルベースン
- ・開口器(口を開く道具)
- ・手袋、マスク(介助者用)
なぜコップが2つ必要かというと、ブクブクうがい用と介助中のブラシ洗浄用。
粘膜ブラシ、モアブラシは、口内が敏感な人用で、綿毛のようなヘッドで刺激の少ない歯ブラシ。
口の中に残った食べ物を取り除くのにも使える。
吸引ブラシは、ブラッシング中に口腔内の水分や汚れを吸引しながら歯を清掃できる歯ブラシ。
ガーグルベースンはこれ。使い捨てもある。
姿勢の確保
座位で気を付けたい状態はこれ。
- ・反り返っている
- ・背中が丸くなっている
- ・左右どちらかに傾いている
ここは文字より画像の方が圧倒的に伝わりやすいんだけど、本のイラストをそのまま使用するのはさすがにNGなので参考サイトを載せておく。
このサイト内にある女性のイラストが、正しい姿勢なのでそれに近づけるように。
ベッド上で寝たままの介助や、車イスでリクライニングした状態で介助する場合は、首の後ろにタオルや枕などを置いてあごを引いた体勢を確保する。
気道を確保することが目的だ。
寝たきりの人の場合、出来るだけギャッジアップをして、側臥位で行う。
片麻痺の場合は麻痺側を上に。
観察
- ・食べ物が残っていないか
- ・口内炎などがないか
- ・乾燥はないか
- ・グラグラした歯はないか
- ・呼吸音にゴロゴロとした音、むせがないか
開口前に口角の乾燥が観察できるので、乾燥しているようであれば無理に開かず、保湿ジェルなどを塗ってから観察に入る。
無理に開けば口角が切れてしまう。
うがいをしても食べ物の残っている人もいるし、そもそもうがいが出来ない人もいる。
そういう人の場合は、口腔ウェットティッシュや粘膜ブラシで取り除く。
あとは出血や炎症、歯の異常を観察する。
最初と最後に、呼吸音の異常やむせがないか観察しておこう。
もしいつもと違うのであれば誤嚥しているかもしれない。
模倣する
同じ所ばかりみがいてしまう人には、支援者自身が自分も口に歯ブラシを入れて鏡のようになり、「ここをみがこう!」と見せて真似をしてもらうことで、歯みがきができるようになる場合がある。
他にも、磨けてなさそうな部分を「ここもやってみようか」などと声掛けをして、全体を磨くよう促す。
仕上げ磨き介助も大事だけど、自分で出来る範囲はご自分で。
介護職のベースである自立支援の考え方である。
見通しを持ってもらう
- ・数を数える
- ・タイマーを置く
- ・歌をうたう(歌を流す)
これらの方法でいつ終わるのか見通しを持つことができる。
事前のアセスメントからご利用者にとって有効な方法でアプローチをする。
時短術2つ
口腔ケアの時短で有効なのは、歯ブラシのヘッドが大きいものを選ぶこと。
理由はヘッドが大きい方が歯に当たる面積が多いから、少ないブラッシングで歯全体が磨ける。
本来はヘッドが小さい方が細かい部分まで丁寧に磨けていいんだけど、そうは言っていられないご利用者もいる。
もう一つ、フロスの代わりに電動のエアーフロスというものがある。
業界あるあるなんだけど、みんなじっとしていられない^^
だから短い時間でケアを要求されることが多い。
介助中にしてはいけないこと3つ
無意識に、反射的にやってしまいがちなのがこの3つ。
- ・ブラッシングの力を入れ過ぎる
- ・歯ブラシを噛まれた時に無理に引っこ抜く
- ・むせた時に背中を叩く
歯ブラシの持ち手を鉛筆持ちにすることで、ブラッシングで力を入り過ぎないようになる。
歯ブラシを噛まれた時に無理に引っこ抜くと、歯が抜けたり欠けたりしてしまうので要注意。
耳の下の方をさすったり、笑顔と優しい声掛けで力が抜けるのをとにかく待とう。
むせた時に背中を叩くと、気道が広がってしまいかえって誤嚥物が肺に落ちやすい。
むせた時は、「むせて吐き出したい」という本人の反射的な反応が働いているので、とにかく待とう。
「大丈夫、近くにいるよ」というメッセージで、やわらかい表情と体に手を添えるくらいはいいかもしれない。
むせが終わった後は、観察でも説明した通り、呼吸音や発語ににゴロゴロとした音などがないかに注意しよう。
ちなみにこれは食事や水分でむせた時も同じである。
余談
Chat GPTに「姿勢良く座ってる人のイラスト 可愛らしい感じで」と依頼すると…
これが出来た笑
間違ってはないな、さすがAI。
この著作権は僕なのか
終わりに
僕的には実体験も含めて、やはり電動歯ブラシをオススメする。
人間ではできないブラッシングで歯垢を落としてくれるから、時間も短くて済むし、優しく当てることだけできれば介助者のスキルにも左右されにくい。
フロスもエアーフロスの方が圧倒的時短である。
便利な家具や家電から逃れられないように、便利なツールを使いこなせばいいのだ。
子どもはまだ手動