僕は23才で介護の仕事を始めた。
わからないながらもやっていく内に”様になって”きた。
ただ、途中で頭打ちになってきたことにも気付いてきた。
経営者は「現場仕事ばかりやっていてはダメだ」と悟り、それからは色んなことを学び始めた。
行きついた先は、終わりのない学びの沼だった。
プロフェッショナルな部分
僕が介護職でプロフェッショナルだと言える部分は、介護技術・病気や障害への知識・コミュニケーション・制度全般の知識、多方において総合的に能力があることだと思う。
「自分でゆーな」というツッコミ、聞こえました。
何より、意欲的に行える体力と好奇心が一番の武器であることは間違いない。
ただ、突出していることは特になく、総合的に一定レベルあるよね、っていうだけだ。
それでも充分な誉め言葉であることは間違いない。
ただ、ずっと同じことをやってると「レア人材になる」「出来るだけブルーオーシャンで暮らす」という状態は作れない。
そのために別の分野で学ぶことを選んだ。
経営するならお金の知識
僕は簿記というものを体系だって学んだことはない。
やりながら、調べながら実践をこなしていき、自分の会社の会計について”わかる”ようになった後、簿記について調べてみたら「なんだ、そんなことか」と思った。
今では税理士や銀行員と話しをしても、理解が難しいと思うことはない。
教科書から入ってしまうと、意味のある情報とそうでない情報の区別が付かない。
意味のある情報、ない情報とは、例えば介護事業と建築業では使う勘定科目が違ったり、同じ科目でも使われ方が違ったりする。
だけど自分の頭の容量は大体決まっているから、実践から入って余計なことが頭に入らなかったのは良かったと思う。
今の学校教育が「余計なことを詰め込む」最たるもんだと思う。
たかが事務と侮るなかれ
事務作業1つとっても学ぶことはクソほどある。
「なぜこの業務があるのか?(Why)」から入っていき、「自社でこなす?外注?」「人力?自動化?半自動化?」「そのコストは?」っていう算段から考える必要がある。
出来るだけ人がやらなくてもいいように省力化して、努力して努力して努力して残ったものだけ人がやる。
あらゆることが民主化されつつあるインターネットの世界には、たくさんのアプリがある。しかも無料のものも多い!
もはや現代で無いものは無い。
その考えの元に業務を組み立てていく。
追いついていないのは法律や制度の方。
ひと昔前の事務作業と言えば、素早いタイピングでExcelやWordを使いこなす力が要求されるスキルだったのだと思う。
まだまだそれだけでも職に困ることはないんだろうけど、それもあと少しの話。
おじいちゃんとか加齢臭漂う連中が経営するような会社だと、まだまだ通用するだろう。
しかしこれから重宝される事務員はシステムエンジニアのような思考を持った事務員だ。
広告ならGoogle様のルールを知るべし
- SEO?大衆に何かを売りつける大きめな企業に必要なものだろう?
そうではなかった。
これは恥ずかしながらここ数年で知った。
こんな小さな企業でニッチな事業だからこそ、やってやってやりまくる必要があったのだ。
ただ、障害福祉サービスの質があってこそ、広告力が活きてくるのは間違いないけど、どちらかに偏ってもいけない。
そもそも質を担保するには、会社を知ってもらって「まともな人」と働く機会を得ないといけない。
広告も「媒体に手を加えたら即解消」という世界ではなく、やはりコツコツとした手入れが必要なようだ。
ホームページやSNSは作品ではなく、閲覧者にアクションを起こしてもらうことがゴール。
その手前の問題として…自分のページ、YouTubeならチャンネルを知ってもらわなければ始まらない。
検索エンジン、YouTube、どちらにしても知るべきはGoogle様のアルゴリズムである。
最後は理念の浸透
会社は1つの世界である。
その世界だけのルールがあり慣習がある。
それを中小零細企業で表現するのは社長。
社長の考えていることと、達成したいこと、言わば”理念”を、色んな形で言って言って言いまくらなければならない。
「1回言っておしまい」ではいけない。
「もうこんだけ言ったんだからわかるでしょ?」っていう日は来ないらしい。
すべてのスタッフが「田中さんなら多分こう考えてこう行動(判断)するよね」っていう状態に近づけるように。
抽象概念の獲得でヒトが発展したように。
会社発展のために僕の出来ることは理念を発信し続けることなのだ。
終わりに
経営とはお客様の問題を解消する現場力、バックヤードを支える事務力、お金を回すための金融知識、情報を訴求する広告力、理念の共有。
あらゆる知識と行動力を総動員して、社会にぶつける総合格闘技のようなもの。
それらをそれぞれの現場で支えてくれているスタッフに感謝である。
ご利用者・社会・スタッフに貢献する企業として、僕も日々ひたむきにタスクをこなす。
大事なのは誰かに貢献できた感覚、「他者貢献感」である。