すべての商品やサービスは”お客様が解決したい問題”からスタートする。
「肌荒れを治したい」「お金を安全に預けたい」「目的地まで早く移動したい」。
それらに応えるために様々な商品やサービスが生まれる。
初志貫徹できればいいのだけど…
しがらみ、惰性、マネジメント。いつからか顧客ニーズに集中できなくなる。
そんな時でも目を覚ませてくれるのはやはり顧客ニーズなのだ。
普遍的な介護福祉ニーズ
- ・出来る限り自立した生活がしたい
- ・私の意思を尊重して欲しい
- ・親亡き後も不便なく暮らして欲しい
介護現場に入っても、研修を受けても、ご家族から話を聞いても、み〜んな一貫してこう言う。
ただこれだけのこと。
こんなの誰でも出来るじゃん!
心の底からそう思っていた。
僕は昔訪問介護で働いていた。
訪問介護は施設系と比べてチーム性が薄い。
チーム性の高い施設系は指導体制が重要になる。
疎かにすると違うことをする人が現れ、終いには支援者がやりたいようにやる始末。
訪問介護ではあまり感じなかった難しさが、施設運営にはあることを知った。
特別なニーズも変わらない
自閉症や強度行動障害の状態にある人のニーズも本質は変わらない。
- ・私のことを尊重して!
ただ、理解するためにはある程度、体系だった知識がいる。
知らずに、もしくは教えられた方法以外でやれば、誤学習が生まれたり求められる成果は得られない。
もう一つあった。
- ・たくさんの支援方法を提示しないで!
これも大事な顧客ニーズである。
Uber
最近Uberのドキュメンタリードラマを見た。
タクシー業界をぶっ壊した、知らない人はいない革命的な企業である。
iPhoneが発売された2007年の2年後にUberは創業している。
ITを駆使して「タクシーを呼ぶ」「目的地を伝える」「お金を払う」すべての煩わしさを解消した。
顧客ニーズは最高に満たしているものの、邪魔してくる既得権益者や法規制と戦いながら世界展開していく姿が描かれている。
顧客ニーズが正義。そう戦う姿は憧れた。
ただ、創業者の生き方が激しすぎて、途中2000年以降の話とは思えない壮絶な出来事が連続する。
一つの国で事業展開を成し遂げた後の飲み会では、一晩で4000万円くらい使ってた。
よかったら是非見て欲しい。
民営化されない日本の医療
民営化されればすべてが最適化されるという。
先に例に出したタクシー然り、鉄道、空港、通信。
民営化されて技術革新が起きてサービスも最適化される。
日本の医療が民営化された日には、とんでもない進化が起きそうだ。
オンライン診療が浸透しカルテも共有される。
画像解析技術が進化してがんや血管系疾患の早期発見。
予測される病気をAI診断して、患者は予防医療を心がける。
医師はたくさんの患者が診れるようになる。
日本は過去の郵政民営化を見ても現在のライドシェアを見ても、とにかく新しいものを毛嫌いする傾向があると思う。
ただ、その過程で混沌とする時期はあるらしい。
最近オンライン診療を受けた話
一昨日3才の息子がマレーシアの皮膚科のオンライン診療を受けた。
ビデオ通話で状況を説明し、皮膚の状態を映像で見せて終了。
その約60分後には塗り薬が届いた!
マレーシア版のUberで。
子どもは待ち時間が苦手、移動も大変、それらを解消しつつ医療を提供。
顧客ニーズを満たしてくれた。
社会福祉事業も民営化されない
入所施設や基幹相談支援センターなども、社福や医療法人などに限定されている。
特に相談支援事業はサービス提供者が足りない。
だから予算を分配して事業者を増やせばいいのにと思うけど、それは素人考えなのか。
基幹相談には市町から委託費という名の予算が入る。
人から聞いた話では相談員一人当たり500万。
「うちの事業所は6人いるから3000万入るんすよ。幽霊部員もいるんですけど(苦笑)」
そう言っていた。
社会福祉法人は固定資産税も法人税も払ってない上に、無条件で3000万とか入るのか…
対して努力しなくても潰れないから、そりゃ努力しないわな。
誰か僕を社会福祉法人の理事長にさせてください。
色んなものをぶっ壊すよ、約束する。
終わりに
社会福祉事業や医療が民営化されるなら、自分たちが淘汰される未来も含め、両手を広げて歓迎するよ。
そして今抱えている多額の借金とともに沈んでいくかもしれない。
でも何度でも浮き上がってくる。
顧客ニーズとともに。