先日グループホームのリーダーたちと話をした。
個室で内密にではなく、ホームのリビングでご利用者のおられない時間帯に。
僕は閉ざされた場や人目をはばかるような話をするのが苦手だ。
相手がOKなら僕はどんな話でもオープンな場で話したいと思っている。
とてもプライベートなことでない限り、個室で話をするにしてもドアは閉めないようにしている。
今回のメインの話は、虐待防止・不適切支援ゼロ活動の具体的な対策について。
この活動には最大限の力を注いでいくと決めている。
その内容をブログで報告する。
虐待防止の一番の対策は個人面談か
今回、虐待防止を専任したスタッフと話をした結果、虐待防止には個人面談が一番重要ではないかという話になった。
これは何が一番効果があるか?解明するのは難しいとは思う。
内容が内容なだけに問題は単一ではなく複合である可能性が高い。
虐待防止研修、福祉に対する倫理観を学ぶ研修、事例から学ぶ研修。
様々あるけど、基本的には誰かから教えを乞うという”受け身”の学習スタイル。
それを否定する気はないけど結局は受け身。
人の学習スタイルはインプット3割、アウトプット7割が黄金比だと言われている。
https://sanctuarybooks.jp/webmag/20230322-11932.html
まだ確信のない段階だとしても吐き出すことの方が重要で、吐き出したときに、
- ・私は虐待防止に関して重要な問題(課題)意識がある
- ・今の支援にそれを感じる
と認識して、課題に対して真剣に考えるようになる。
要は個人面談で話すこと自体がアウトプットになる。
すべてのスタッフが虐待や不適切支援を意識して向き合い、日常の支援でそれに目を向ける習慣をつけてほしいと期待している。
個人面談のマニュアルは?
リーダーとのミーティングの中で「個人面談が大事なのはわかったけど、話す時に意識していることってありますか?もしマニュアルのようなものがあればありがたい」という意見が出た。
確かに。
マニュアルに沿って質問をして、(リーダー的に)目的とされる回答が得られるなら、こんなに簡単なことはないだろう。
リーダー的にも気持ちが楽になる。
しかしこれには明確な答えらしきものはないだろう、というかリーダーとスタッフとの人間関係が大きく影響するので画一的な質問などはないだろう、という意見で一致した。
質問者と回答者=リーダーとスタッフとの関係性が、個人面談の内容に影響しないのであれば、誰が担当してもいいことになる。
なんだったらチャットで済む。
だけど現実はそうではない。
虐待までいかなくても、不適切支援じゃないか?と悩んでいるスタッフにとって、それを吐き出すことは勇気がいる。
スタッフ的にはリーダーを信用しているからこそ言える内容で、もし深刻な内容であれば「これは他言しないよね?」が前提である。
それは日常的にコミュニケーションが取れていて、信頼関係があるからこそ成り立つものである。
虐待防止の専任スタッフ
主な仕事は、
- ・リーダーのフォロー
- ・事業所の課題に適したオーダーメイド研修の実施
主にはこの2つで考えている。
これを任せたスタッフは業務内容と適性から見て適任と思っている。
虐待防止、不適切支援ゼロ活動は、やりながら形を変えていく可能性は充分にある。
当社にとって良い形を模索していきたい。
終わりに
障害福祉は、人権とは?普通とは?自立支援とサービスの境界線とは?
一般的なサービスでは良しとされることが、介護・福祉の現場では良しとされないことがあることもみんな知っている。
ただ、僕は一般的なサービスの方が質を高く感じることが多い。
ご利用者とスタッフの関係性も絶妙で、友達でもなければお客様でもない、僕もまだうまく言語化できない。
とにかく色々なことを考えさせてくれて、僕たち介護スタッフを育ててくれる。
虐待防止・不適切支援を起こさないためには、僕たちがチームとして学び続け、ともに理解し合う必要があることは間違いなさそうだ。