社長ブログ

マレーシアの知的障害者施設ACS(後編)

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前編はこちら

株式会社障がい者ライフサポート【広島市】
社長ブログより

ACSの人材獲得

ACSはアイナさんの尽力でボランティアを募れば何とかなっている。

マレーシアでは日本の障害福祉サービスのように、公的な資金が一切入らないし、ACSでは利用料をもらってないので人を雇うことができない。

ボランティアで来る人は、「給料ゼロでもいいから障害者の抱える課題を解決をしたい」という人なので、福祉職に就く上での素養を持っている。

マレーシアは平均年齢は30才。

おまけに田舎だとタダ同然で住め、食事も所属する団体から提供される。

支払いがなければ稼ぐ必要もないのでボランティアでも問題ない。

あっちを立てればこっちが立たず

介護福祉が完全にビジネス化された日本では、そんな人は定年退職したような人しかいない。

ビジネス化が進むにつれ、日本で「介護福祉でボランティアや慈善」という言葉はどこかに行ってしまった。

しかも高齢になるにつれて、「障害者=かわいそう」みたいな偏見がある人が多いので人材育成でとても困る。

志も適性もないのに、生活のために福祉職を選ぶ人もいる。

ただ、ビジネス化は「サービスの安定供給」「雇用」という面でメリットではある。

ビジネス化されたからこそ僕もこの仕事に出会えた。

なんでもそうだけど、一長一短である。

ボランティアの限界

マレーシアではACSの非営利活動を通じて、障害者ニーズが顕在化された。

そこでペナン島中心地や首都クアラルンプールなどでは、中所得者以上をターゲットにした療育や就労支援の完全自費サービス、いわゆる営利目的のサービスが始まったらしい。

その営利団体が、ACSが育てた人材をヘッドハンティングする動きがあるようだ。

講演活動を通じてボランティアとして人材獲得し、育成した段階で雇用として引きかれる。

営利団体も障害者のニーズを満たしていることに変わりないし、雇用された方も経済的に満たされるが、アイナさんとしては複雑な心境だろう。

ビジネスとボランティアの共存は不可能なのだろうか?

お金の限界

出来るならば事業拡大はやりたいように見えた。

「(アイナ)何かいい方法ない?」

「(僕)今全く手を付けていないWebとSNSを駆使すれば人材獲得、資金調達、メンバーの販路拡大に新たな道が開けると思います」

「(僕)アイナさんは実績もバイタリティも講演会で喋る能力もある。おまけにマレー語、英語、日本語も少しできるから訴求先が世界でいける。

Webマーケティングが一番インパクトありそう」

アイナさんはピンと来ていないようだったけど…

アイナさんは「利用者の経済的な状況」に関係なくサービスが提供したい、と考えが前提にあるので、高額な利用料をもらって事業展開することは考えていないようだ。

となると今以上に寄付を集めるか、国を動かして日本のように制度化するしかなくなる。

ちなみに世界的にはNPOやNGOであっても、企業や公的機関への戦略的な資金調達と人材獲得で、一般企業以上の待遇をする団体が増えているそうだ。

「日本は国からの報酬があっていいわね、マレーシアもそういう風になったらいいのに」

とぼやいていた。

そこで日本の事情も話した。

日本の人材事情

若者が都市に集中していること、超高齢社会、人口減、適性のない人材もいる、労働者の権利が守られ過ぎていること、などを話した。

アイナさん(マレーシア)からしたら、すべてイメージが湧きにくかったと思う。

マレーシアは人口増で平均年齢30才。

アイナさんの講演を聞いて「ボランティアでもやりたい」と言ってくるのだから、志も適性もある可能性が高い。

雇用関係もないので、権利は同等か、団体の方が主導権を持っているかもしれない。

日本がそういう問題を抱えていることは知っているかもしれないが、それは僕たちと同じように、海の向こう側で起きているただのニュースの中の出来事なのだ。

なんで株式会社と社会福祉法人が同じなの?

アイナさんは1992年から1年間、日本の障害福祉を学ぶため全社協の研修に参加している。

ACSの立ち上げも、前編で登場した日本人の「ナカザワ ケン」が声をかけたことがキッカケだ。

そんなことで日本のことも結構知ってたりする。

「あなたのホームページを見たけど株式会社なの?なんで?」

それで障害福祉サービスがビジネスとして民間企業にも開放されたこと、社会福祉法人の立ち上げは要件が高いことなど色々話した。

その中で目を丸くしていたのが、「社会福祉法人と株式会社のもらう報酬は一緒なのになんで税金は違うの?」

日本はゴリゴリの村社会で、昔のルールは中々変えられない。

2022年に国連からも様々な問題も指摘されている。

一言でいうならば既得権益ですかね…そういう国なんです。と話した。

やはり経営者であれば同じとこで違和感を感じるようだ。

僕も昔、このことに異常なほど違和感を感じたけど「コントロールできないことは考えまい」と頭の隅に追いやっていた。

自分の目と耳で確かめて!

「高額でも少額でも、マレーシアで必要とされるサービスって何?」

と聞くと、「それはあなたが答えを探してみて!」と笑顔で即答された。

自分の頭で考えず、すぐに答えを聞こうとした姿を反省した。

「(アイナ)もし次ここに来る機会があったらメンバーの家族を集めるからら日本の福祉サービスのことを話してあげてよ?」

「(アイナ)障害者の家族は目の前のことでいっぱいいっぱいだから、たくさんの選択肢があることを知らないの。知れば何か行動する人が出てくるかもしれない」

もちろんそれには快諾した。

僕も福祉がまだない国のニーズや解決策について考える楽しい時間になりそうだから。

「(アイナ)それとあなたの住んでるクアラルンプールで、家族が立ち上げた就労支援施設を紹介するわ」

もちろんこの気持ちも感謝を告げて受け取った。

終わりに

僕の勘違いで繋がったのだけど、とてつもない行動力の持ち主且つ、業界有名人と知り合ったようだ。

僕はほんとラッキーだ☆

次の繋がりをもらったので行ってみよう。

今度は妻に翻訳を頼んで…

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